円形脱毛症の症状と特徴
監修:なごみ皮ふ科 院長 医学博士 齊藤典充先生
野村皮膚科医院 院長 医学博士 野村有子先生
円形脱毛症はどんな病気?
「円形脱毛症」とは、円形や楕円形の脱毛斑が突然生じる疾患です。一般的には10円玉くらいの脱毛と思われていますが、頭部全体に広がるものや、眉毛やまつ毛、体毛などに及ぶ重度のものまで、その症状はさまざまです。
また、場合によっては、完全に発毛しても再発することもあります。
これが円形脱毛症の特徴
円形脱毛症には、以下のようないくつか特徴的な症状があります。これらの項目で複数適合するものがある場合は、円形脱毛症の疑いがあります。
【初期症状】
- 何の兆候もなく突然脱毛が始まった。
- 頭部に地肌が見えるところがある。
- 爪に小さなでこぼこがある。
- アトピー性疾患(アトピー性皮膚炎、気管支炎、アレルギー鼻炎のいずれか)を
患っている。 - 脱毛斑が円形または楕円形であり、境界が比較的はっきりしている。
【進行中の症状】
※上記“初期症状”のどれかに該当し、下記の症状がみられる場合は、円形脱毛症が進行していると考えられます。
- 朝起きた時、枕に抜けた毛が数本以上見られる。
- 脱毛斑の周囲の毛を引っ張ると簡単に抜け、痛みもほとんどない。
- 抜けた髪の毛の毛根の部分が、細く尖った状態である。
- 脱毛斑が広がってきた。
【回復期の症状】
- 脱毛斑の一部に細く短い毛が生えている。
- 脱毛斑に毛穴が点々とみえる。
- 脱毛斑の周囲の毛を引っ張っても容易に抜けない
「円形脱毛症かな?」と思ったら
疑いがあれば、まず皮膚科などの専門医療機関を受診して相談しましょう。円形脱毛症かそうではないのか、治療が必要なのか必要でないのかなど、素人判断は危険です。
大切なことは「ひとりで悩まず、どんなことでも相談して、適切な診断のもとで、きちんと治療する」ことと、「症状と上手に付き合っていく」ということです。不安や悩みは円形脱毛症の大敵ですから、それらを取り除くために信頼できる専門家の力を借りましょう。