円形脱毛症のQOLを考える かわら版タイトル

QOL便り

 

ウィッグのヘアアレンジについて


脱毛症の方は、治療のために止む無くウィッグを使用している方が多いのが事実ですが、今は自然なウィッグも多く、うまく使用することで「なりたい自分」になることもでき、QOL向上に大きく役立つことも立証されつつあります。(2017年改訂の円形脱毛症治療ガイドラインでも推奨度が上がりました。)
ウィッグは工夫次第で様々なアレンジが可能です。今やウィッグは「隠すもの」ではなく、「オシャレをするもの」として位置づけられつつもあります。例えば、長めのウィッグ(主に女性向けウィッグ)であれば、ハーフアップやサイドアップなどのアップスタイルを作ることも可能です。


アクセサリーを使用すると華やかな印象を与えることができるので、卒業式や入学式などのセレモニーにもお勧めです。耳周りなど、生え際が見える箇所があるので、ウィッグのサイズ調整と、しっかりと頭部に固定させることがポイントとなります。また、人の産毛のような細かな毛をウィッグに人工的に作ることで、ウィッグが顔周りに馴染み、生え際をより自然に見せることも出来ます。

●店舗での購入
一方で、短めのウィッグ(主に男性向けウィッグ)については、生え際が見えやすくなる分、カットなどにより高度な技術が問われます。昨今、人件費を抑え、通信販売などで購入できる低価格の既製品ウィッグが増えてきましたが、未だに自然な男性用ウィッグが少ないのはそういった理由が挙げられます。生え際を自然に見せる短髪ウィッグをご希望の場合は、通信販売などで既製品を探すのではなく、一度ウィッグメーカーに相談してみるといいと思います。
余談ですが、人毛であればカラーリングやパーマをかけることも、ヘアアイロン等での熱を利用したアレンジも可能です。しかしこれらの使用は劣化の原因となりうるため、積極的推奨はできません。
難しいと思われがちなヘアアレンジですが、実際は慣れると比較的簡単に出来るものもあります。ちょっとしたヘアアレンジでも、新しい髪型に出会えることで良い気分転換なるのではないかと思います。

耳より情報

 

ウィッグに使われている“毛髪”の種類について触れたいと思います。
ウィッグで使用される髪の素材は「人毛」「人工毛(合成繊維)」、さらにその両方を使用した「ミックス毛」があります。
人毛はその名の通り人の髪の毛のことです。人毛の特徴は、
■メリット
・見た目の風合いが自然
・肌の弱い人でも安心
・パーマやヘアカラーなども施すことが可能
■デメリット
・紫外線による変色などが起こる
・からみやすい
・限られた資源のため、価格が高い
総じて「自然で肌にも比較的安心だが、こまめな手入れが必要で価格も高い」といったところでしょうか。
一方、人工毛は主にポリエステル、ポリアミド(ナイロン)などの化学繊維が主原料になります。特徴はというと、
■メリット
・軽い
・形状記憶に優れている
・速乾性がある
・比較的安価で購入できる
■デメリット
・熱や摩擦に弱い=「ピリング」といって人工毛の表面が縮れ、広範囲にわたると見た目の風合いを損ねてしまう
・特有の光沢(テカリ)見た目の風合いに影響する
・化学繊維を原料としているため、直接肌にあたると肌荒れの原因になることがある
まとめますと「軽くて、すぐに乾いて、手入れもしやすいが、見た目の風合いでは人毛に劣る」というところです。


それらの特徴の“良いとこ取り”したものが「ミックス毛」で、実は円形脱毛症向けの医療用のウィッグではこのミックス毛が良く使われています。専門店で扱われるウィッグは肌に当たる部分には人毛を、スタイルを見せる部分は人工毛を使用しているなどの工夫もされています。
大事なのは、これらの毛髪の特徴をご自身のライフスタイルや目的に照らし合わせてみてウィッグを選択する、ということです。見た目はもちろん大事ですが、身に着けるものですので、使い勝手や装着感はとても大事な要素になり、毛髪の種類がそれらを左右することになります。
特にファーストチョイスの方は、やはり専門店に相談すると安心です。
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