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円形脱毛症の症状と特徴

円形脱毛症はどんな病気?


「円形脱毛症」とは、円形や楕円形の脱毛斑が突然生じる疾患です。一般的には10円玉くらいの脱毛と思われていますが、頭部全体に広がるものや、眉毛やまつ毛、体毛などに及ぶ重度のものまで、その症状はさまざまです。

また、場合によっては、完全に発毛しても再発することもあります。

円形脱毛症を疑う
症状チェック

円形脱毛症の進行状況により、以下のいくつかの特徴的な症状がみられます。これらの項目で思い当たるものがある場合は、円形脱毛症の疑いがあります。

A.初期症状

  • 何の兆候もなく突然脱毛が始まった。
  • 頭部に地肌が見えるところがある。
  • 爪に小さなでこぼこがある。
  • アレルギー性疾患(アトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎のいずれか)を患っている。
  • 脱毛斑が円形または楕円形であり、境界が比較的はっきりしている。

B.進行中の症状

※上記“初期症状”のいずれかに該当し、下記の症状がみられる場合は、円形脱毛症が進行していると考えられます。
  • 朝起きた時、抜けた毛が数本以上みられる。
  • 脱毛斑の周囲の毛を引っ張ると簡単に抜け、痛みもほとんどない。
  • 抜けた髪の毛の根本の部分が、細く尖った状態である。
  • 脱毛斑が広がってきた。

C.回復期の症状

  • 脱毛斑の一部に細く短い毛が生えている。
  • 抜けた髪の毛の根本の部分が丸く涙型をしている。
  • 脱毛斑の周囲の毛を引っ張っても容易に抜けない。

Aのチェック☑が多い方

脱毛が始まったばかりの段階です。早めに治療や対策を始めることで、進行を抑えたり、症状を和らげたりできます。
①まずは受診と診断を 皮膚科を受診し、症状の診断を受けましょう。症状の状態や必要に応じて適切な治療を相談しましょう。
②生活習慣の見直し 睡眠不足や過度なストレスは円形脱毛症を悪化させる原因に。栄養バランスのよい食事と、十分な休息を心がけてください。
③頭皮ケアの基本 刺激の少ないシャンプーでやさしく洗い、タオルドライは強くこすらないようにしましょう。血行を促すため、軽く頭皮マッサージを取り入れるのもおすすめです。

Bのチェック☑が多い方 

脱毛斑が広がったり抜け毛が増えたりしている段階です。焦らず、治療に取り組みましょう。
 ①治療の継続 既に治療を行っている方は治療を継続しましょう。治療の効果に不安のある方は、治療法について担当医に相談してみましょう。
②悩みは相談しましょう 不安や悩みがある場合はひとりで抱え込まず、家族や担当医に相談してみましょう。
悩みを共有することで、心が軽くなることもあります。
③ストレスの軽減 軽い運動、趣味の時間を取り入れ、心身のリラックスを心がけましょう。
④ウィッグや帽子の活用 ウィッグや帽子で気になる脱毛斑をカバーしながら、頭皮を保護しましょう。外出時などのストレス軽減に繋がることがあります。

Cのチェック☑が多い方

新しい毛が生え始め、毛穴が戻ってきている段階です。ここからは「育てる」ケアがポイントに。
①継続的な治療 症状が改善傾向にあっても、自己判断で治療を中断せず、担当医の指示に従って根気よく治療を続けましょう。
②ウィッグ卒業に向けて ウィッグを使用している方は、はずせるまでもう一息です!ウィッグや帽子を活用しながら、脱毛部位のケアや、規則正しい生活を継続して、髪の成長を促しましょう。

「円形脱毛症かな?」と思ったら

疑いがあれば、まず皮膚科などの専門医療機関を受診して相談しましょう。円形脱毛症かそうではないのか、治療が必要なのか必要でないのかなど、素人判断は危険です。
大切なことは「ひとりで悩まず、どんなことでも相談して、適切な診断のもとで、きちんと治療する」ことと、「症状と上手に付き合っていく」ということです。不安や悩みは円形脱毛症の大敵ですから、それらを取り除くために信頼できる専門家の力を借りましょう。

 

記事の監修

なごみ皮ふ科 院長
医学博士

齊藤典充先生

記事の監修

野村皮膚科医院 院長
皮膚科専門医、医学博士

野村有子先生