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治療が長期化したときの過ごし方

多発型や蛇行型、全頭型、汎発(はんぱつ)型などの円形脱毛症では、状況が好転して完治するまでに時間を要するケースがあります。また、一度治った後でも再発を繰り返すこともあります。なかなか改善が見られない場合は精神的にも辛い日々が続き、治療に対する意欲も薄れがちになることもあるかも知れません。

ここでは、治療が長期化したときの過ごし方等について考えてみました。

治療を続けることの意義

円形脱毛症は、状況が改善して完治するまでに時間を要し、一度治った後でも再発を繰り返すことがあります。なかなか改善が見られない場合は、治療に対する意欲も薄れがちになるかもしれません。しかし、例え再発したとしても、効果がみえにくくても、主治医との十分なコミュニケーションのなかで状況を把握・理解するとともに、引き続き根気よく治療を続けることが大切です。新たな治療法への反応が良くなる場合もあります。

また、主治医の了解のもと、症状に関する情報をまとめてもらい(診療情報提供書)、セカンドオピニオンに相談するというやり方もあります。セカンドオピニオン制度とは、複数の専門家の意見を聞くことで、より適した治療法を患者自身が選択するという考え方にそったものです。
何よりも主治医との信頼関係を築き、納得して治療を続けていただくことが大切です。

生活の質:QOLを大切に

円形脱毛症の治療には、副作用を伴うものもあります。長い期間を治療に費やすことで、逆にスト レスがたまるケースもあるでしょう。治療が長引くことにより、自らが理想とする生き方、自分らしい生活を見失う、つまりQOL(quality of life:生活の質)を低下させる要因となる場合もあります。

長期化する治療の中でもしそのような状況に陥りそうになったら、主治医と相談のうえウィッグ(かつら)を上手に利用したり、他の治療法を試してみたりしながら円形脱毛症およびその治療法と上手につきあい、あせらず前向きな気持ちで過ごしましょう。長期にわたり様々な治療を行っても効果がない場合は、QOLを大切にしつつ経過をみるという選択肢もあります。

記事の監修

なごみ皮ふ科 院長
医学博士

齊藤典充先生

記事の監修

野村皮膚科医院 院長
皮膚科専門医、医学博士

野村有子先生