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円形脱毛症はなぜ起こる?知っておきたい「発症の原因」

最新更新日:2026/01/22

監修

齊藤典充先生
なごみ皮ふ科 院長 医学博士
専門:脱毛症
所属学会:日本皮膚科学会、日本臨床毛髪学会

野村有子先生
野村皮膚科医院 院長
皮膚科専門医、医学博士
専門:アトピー性皮膚炎、ニキビ、脱毛症
所属学会:日本皮膚科学会、日本研究皮膚科学会

 

円形脱毛症の原因とは?考えられる要因を徹底解説

円形脱毛症の原因については、様々な説が提唱されています。近年では、“髪の毛の毛根組織に対して免疫機能の異常が発生”する「自己免疫疾患」を原因とする説が有力です。

免疫機能の異常が起こる要因としては、疲労や感染症などの肉体的・精神的なストレスや体質的な素因があります。
それらも含め本記事では、皮膚科医監修の元、円形脱毛症の原因になると考えられているものを、以下に分かりやすく解説します。

自己免疫疾患

円形脱毛症発症のしくみとして近年有力視されているのが、「自己免疫疾患」です。「自己免疫疾患」とは、外部からの侵入物を攻撃することで私たちの体を守ってくれている免疫系機能に異常が生じ、自分の体の一部分を異物とみなして攻撃してしまう病気です。

円形脱毛症は、リンパ球が毛根を異物と間違えて攻撃してしまうために発症すると考えられており、その激しい攻撃により毛根が傷んで、元気な髪の毛でさえ突然抜け落ちてしまうのです。しかしなぜその様な免疫異常が生じてしまうのかは、まだ明らかになっていません。

また円形脱毛症は、橋本病に代表される甲状腺疾患、尋常性白斑、全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ、あるいは重症筋無力症などのさまざまな自己免疫疾患を併発する場合があります。特に、円形脱毛症の患者さんの約8%に甲状腺疾患が、約4%に尋常性白斑が併発すると言われています。

アトピー素因

アトピー素因とは、アレルギー性疾患(アトピー性皮膚炎・花粉症・気管支炎喘息・アレルギー性鼻炎など)を持っている人のことを言います。円形脱毛症患者の約40%以上がアレルギー性疾患を患っており、半数以上が本人もしくは家族にアレルギー性疾患が認められるなど、深い関連があると言われています。

精神的ストレスによる影響

円形脱毛症の発症要因のひとつとして、「精神的ストレス」が挙げられます。

精神的ストレスを受けると、それに抵抗するために交感神経が活発に動きます。交感神経は、心肺を早く動かしたり体温を上げるなどの働きがあり、身体がストレスと闘う準備をしてくれます。

このとき、ストレスが強すぎたり長く続いたりすると、交感神経に異常をきたします。その結果、血管を収縮させ、頭部への血流が悪くなり、毛根への栄養補給が行き届かなくなって脱毛が引き起こされると考えられます。

また、ストレスは、毛根への栄養補給を妨げるだけでなく、「自己免疫疾患」や「内分泌異常」などのさまざまな疾患を誘発することもあります。

遺伝的要素

中国で行われた大規模な調査によると、円形脱毛症患者の約8.4%に、同じ病気を抱えている家族がいると報告されています。それは親等が近いほど発症率が高く、欧米の調査でも、円形脱毛症患者の一親等の発症率は、二親等以上の家族の10倍におよぶという結果が出ています。このことから、円形脱毛症には遺伝的要因が関係する可能性が高いと考えられています。

出産後の女性ホルモン値の変化

妊娠から出産後における女性ホルモンの減少も、原因の一つと言われています。

妊娠中、体内の女性ホルモン値は通常の100倍以上に増加しています。それが、出産すると一気に通常値に戻ります。女性ホルモンには発毛促進の作用があり、逆に減少すると抜け毛につながることから、毛周期との関係で産後3~4ヶ月後に抜け毛が多くなります。
多くの場合は頭髪全体のボリュームが減る産後脱毛となりますが、このときに、円形脱毛症になることがあります。さらにアトピー素因を持つ場合、それが加速されやすいというデータもあります。

ホルモンバランスだけでなく、育児の忙しさによる食事の偏りや出産のストレスが原因になることもありますので、産後の抜け毛には特に気をつけることが大切です。

円形脱毛症は再発しやすい?原因と対策を解説

円形脱毛症は、症状が一度改善しても再び脱毛が起こる「再発」が見られることがあります。「治療を続けてようやく髪が戻ってきたのに、また抜けてしまった」そんな悩みや不安を抱える方も少なくありません。
特に、脱毛範囲が広い「全頭型」や「汎発型」の円形脱毛症は、「単発型」に比べて治療が長期にわたることもあり、再発のリスクも高い傾向があります。円形脱毛症にはいくつかの種類があり、それぞれに再発のしやすさや治療の難しさが異なります。
ここでは、再発の背景にある要因や、再発率について詳しく解説します。

原因が複数考えられる場合

円形脱毛症は、一度毛が生えても再発することがあります。これは、自己免疫反応が繰り返しやすいことと、免疫の異常、ストレス、体質など複数の要因が重なったときに再び症状が現れる可能性があるためです。再発を防ぐには、生活習慣の見直しやストレスケアなど、継続的な対策が重要です。

再発の確率はどのくらい?

円形脱毛症は、一度毛が生えても再び髪が抜けてしまうことがあります。国内外の報告によると、一度毛が生えたあとに再発する人の割合は約30〜50%とされ、決して少ない数字ではありません。
「せっかく髪が戻ってきたのに、また抜けてしまったら…」そんな不安を感じる方も多いでしょう。特に、脱毛範囲が広い全頭型や汎発型では治療期間が長くかかることが多く、再発のリスクも高い傾向があります。また、アトピー体質や自己免疫疾患を持っている場合も再発しやすいと報告されています。

再発を防ぐには?

円形脱毛症は、毛が生えたからといって終わりではなく、再発を防ぐための工夫が必要な病気です。完全に防ぐことは難しいものの、ちょっとした生活習慣の見直しやストレス対策を続けることで、再発のリスクを減らすことはできます。例えば、夜更かしや生活の乱れは抜け毛の原因にもなるため、夜は12時前には寝るように習慣づけましょう。また、髪の毛の栄養源になるたんぱく質やミネラル成分などバランスの良い食事も大切です。趣味の時間を持ったり、リラックスできる場所に出かけたりなど、できるだけストレスを解消するようにします。治療後も「再発予防のためのケア」を意識しましょう。

円形脱毛症かも?と思ったら皮膚科で相談を


円形脱毛症の原因や症状の進行度は人によって異なり、自己判断では正確な診断が難しいこともあります。気になる症状がある場合は、まず皮膚科で相談することをおすすめします。専門医による診察を受けることで、適切な治療方針が立てられます。

全国の円形脱毛症対応クリニックを探す

当サイトでは、円形脱毛症に理解があり、専門的な診療を行っている皮膚科クリニックを地域別に掲載しています。通いやすい場所で、専門医による診察を受けたい方は、ぜひこちらをご活用ください。

円形脱毛症の診察では、症状の進行度や脱毛範囲に応じて治療が異なります。早期に受診することで、早めに進行を抑えたり症状を和らげたりすることができます。一人で悩まず、まずは相談してみましょう。

病院に行く前に知っておきたい円形脱毛症の基礎知識

皮膚科に行く前に、円形脱毛症の治療法や種類について理解を深めておきたい方も多いのではないでしょうか。こちらでは、症状に応じた治療法や、円形脱毛症のタイプ別の特徴の解説、円形脱毛症に悩む方に向けた医療用ウィッグのご相談方法をご紹介しております。

円形脱毛症って治るの?皮膚科での治療法

円形脱毛症の治療は、原因や症状の進行度によって異なります。原因として免疫異常が隠れていたり、長引いてしまい治りにくくなることがありますので、自己判断で放置することはおすすめできません。誤った情報に惑わされず、正しい知識を身につけることがとても大切です。まずは皮膚科で専門医の診察を受け、適切な治療方針を立てることが第一歩です。
治療法には、炎症や免疫機能を抑えるステロイド外用薬や内服薬、紫外線療法、人工的にかぶれを起こすことにより発毛を促す局所免疫療法などがあります。さらに、近年注目されているJAK阻害薬は、自己免疫の異常を抑える新しい選択肢として期待されています。
以下のページでは、各治療法の特徴や効果、副作用、治療期間について専門医が詳しく解説しています。正しい情報を知り、皮膚科で相談する準備を整えたい方は、ぜひご覧ください。

▼円形脱毛症の治療法について詳しく知りたい方はこちら

円形脱毛症にはどんな種類がある?症状の違いをチェック

円形脱毛症には、脱毛範囲や進行度によっていくつかのタイプがあります。最も多い「単発型」は、頭皮に10円玉位までの大きさの円形の脱毛が1か所のみ見られるタイプで、比較的治療しやすいとされています。一方、複数か所に広がる「多発型」は、再発や治療に時間がかかることがあります。さらに、頭全体の毛が抜ける「全頭型」や、眉毛やまつ毛まで脱毛する「汎発型」は、重症度が高く、治療が長期化する傾向があります。
種類によって治療方針や再発リスクが異なるため、自分の症状を正しく理解することはとても重要です。以下のページでは、各タイプの特徴やイメージ、治療の難易度について詳しく解説しています。

▼円形脱毛症の種類について詳しく知りたい方はこちら

ウィッグという選択肢。医療用ウィッグってどんなもの?

円形脱毛症による外見の変化は、不安や精神的な負担につながることがあります。そんなときに役立つのが医療用ウィッグです。日本皮膚科学会の「円形脱毛症診療ガイドライン2024」(1)では、かつら(ウィッグ)の使用に関して推奨度1となっており、「1:強い推奨 推奨された治療により得られる利益が大きく、かつ、それによる負担を上回るため行うよう勧める」(2)と明記されています。また、「患者のQoLを改善させる効果があると考えられる。」とあります。医療用ウィッグは、自然な見た目と肌へのやさしさを重視して作られており、通気性があることで長時間の着用でも快適です。特に、脱毛範囲が広い場合や治療が長期化する場合、ウィッグは日常生活の自信を取り戻すための大切なサポートになります。 

スヴェンソンでは、専門スタッフによるご相談や無料試着ができ、お顔の輪郭や髪質に合わせた最適なウィッグをご提案しています。さらにお客様のご要望に合わせ、購入プランと定額制プランをご用意しています。定額制プランは「どのくらいで治るか分からない」という方でも、費用面の不安を軽減しながら安心してご利用いただけます。お客様に合わせた最適なプランをご用意しておりますのでお気軽にご相談ください。詳細やご相談予約は、以下のページからご覧ください。

▼ウィッグのご相談・来店予約はこちら

1)円形脱毛症診療ガイドライン策定委員会 円形脱毛症診療ガイドライン2024 日皮会誌 134(10):2491-2526, 2024
2)円形脱毛症診療ガイドライン策定委員会 円形脱毛症診療ガイドライン2024「 CQ25 かつらの使用は有用か」より引用

 

記事の監修

なごみ皮ふ科 院長
医学博士

齊藤典充先生

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野村皮膚科医院 院長
皮膚科専門医、医学博士

野村有子先生